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(まりさの優しさ) せっかく昼休みにゆっくりをして幸せな気分になったのに、午後の出来事はそんな気持ちを吹き飛ばしてしまった。 あの後まりさは、Aがまりさの見ている前で窓の外に投げ捨てた鉛筆を探し、校庭を二時間も歩き回った。 やっと見つけた時にはすでに日も暮れ始め、体には生垣で引っかけてできた傷跡が。 ぴょこ、ぴょこ、と足取りも重く家路に就く。一跳ね毎に進む距離が登校時とは明らかに違う。 今朝は初めて通う学校が楽しみで楽しみで、人間ならスキップしている様な感覚で元気に跳ねていたのに。 今は俯きながらぴょんと一歩踏み出す毎にため息を吐く。 たった数百メートルの距離を歩くのに、こんなに時間がかかったのは初めてだ。 家に着いた時には既に日はすっかり暮れていた。社長の家から家政婦のおばさんが出てきた。 「あら、まりさちゃんお帰り。どうしたの、随分遅かったじゃない。」 「ゆ。おばさん、ただいま。」 「あんまり帰ってくるのが遅いからねえ、探しに行こうとしてたとこだったんだよ。」 「ありがとう。しんぱいかけてごめんね。」 「友達と遊ぶのが楽しいのはわかるけど、あんまり遅くなっちゃ駄目だよ。お母さん達が心配するからね。 あら、あんた怪我してるじゃないの。こっちおいで、手当してあげるから。」 おばさんに連れられて台所へ。おばさんはまりさの傷をタオルで拭ってきれいにし、水で溶いた小麦粉を付け 傷を覆ってくれる。水仕事で荒れたおばさんの手から優しさが伝わってくる。 おばさんの手の温もりがまりさの体の傷を癒す。傷はみるみるうちに塞がっていく。 しかしまりさの心の傷は容易には消えなかった。 おばさんが用意してくれた晩ごはんを食べ終え、庭の犬小屋で今夜も帰りの遅い両親を待つ。 まりさが一日の中で一番嫌いな時間。真っ暗なおうちの中で、心細い思いをしながら両親の帰りを待ち続ける。 普段なら歌を歌って気を紛らわしたり、その日あった楽しかった事を思い出して過ごすのだが 生憎と今日はそんな気分にはなれなかった。 しばらくして、家の前に一台の車が止まる。聞こえてきた声。大好きなお母さん達の声。 「今日も一日ご苦労さん。遅くまで仕事させて悪かったなあ。」 「ゆ!おつかれさまでした!」 「おにいさんこそ、おつかれさま!おうちまでおくってくれて、ありがとうね!」 「いいっていいって、気にすんな。どうせ帰り道の途中だしな。 明日の朝も今日と同じ時間に迎えに来るから。明日も頼むぜ。」 「わかったよ!ゆっくりきをつけてかえってね!」 「おやすみなさい、おにいさん!」 「おう。」 両親がおうちの中に入ってきた。一生懸命働いて溜まった一日の疲れも、可愛いまりさの顔を見ればすぐに吹き飛ぶ。 だからまりさは精一杯の笑顔で両親を迎える。たとえそれがカラ元気でも。 「まりさおかあさん、れいむおかあさん、おかえりなさい!」 「ただいま!ゆっくりかえったよ!」 「おそくなってごめんね。ゆっくりしすぎたね。さみしかったでしょ。」 「ううん。へいきだよ!」 両親が遅い晩ごはんを食べ終わると、三匹はお互いにぺーろぺーろと舐めあって一日の体の汚れを落とす。 それが終わったら後は寝る時間。本当は両親に遊んでもらいたいのだが、まりさは我慢する。 お母さん達は疲れているし、明日の朝も早いのだ。 親子三匹一塊りになってタオルに包まる。右の頬と左の頬に感じる両親の温もり。 両親はいつもの様にまりさに今日あった事を聞く。 「がっこうはどうだった?たのしかった?おともだちはできた?」 「おかあさんたちはしんぱいだったよ。まりさがみんなとうまくやっていけるのかなって。」 「たのしかったよ!おともだちもたーーーっくさんできたの!」 嘘。まりさがうまれて初めて吐いた嘘。両親を心配させまいとする健気なまりさの優しさ。 両親の安堵と喜びが頬を通して伝わってくる様だ。痛い。とても痛い。 「あしたもはやいからもうねようね。」 「ゆっくりおやすみなさい。あしたもゆっくりとしたいちにちでありますように。」 「おやすみなさい・・・」 (出口の無い悪夢の様な日々) 朝の眩しい日差しがまりさを現実の世界へ引き戻す。楽しかった夢の時間の終わり。憂鬱な月曜の朝。 本当ならばゆっくり達のゆっくりとした一日を祝福してくれる太陽の恵みの筈なのに、 今のまりさには現実世界の象徴である無慈悲な太陽の光が恨めしかった。 永遠に朝が来なければいいのに・・・永遠に夢から覚めなければいいのに・・・ まりさが学校に通いだして一週間が経っていた。状況は相変わらず。 まりさに対するイジメは終わらない。理由無き理不尽な仕打ちにまりさはひたすら耐え続けていた。 火曜日。まりさは皆に笑い物にされた。 なぜか自分の後ろからクスクスと笑う声が聞こえる。 なんだろう。振り返って見ると笑っていた人達は一斉にそっぽを向く。 誰もまりさと目をあわせようとはしない。 また歩き始めると、再び笑い声が。自分が笑われているのは何となく判った。 でも何で笑われているんだろう。廊下に掛けられた全身鏡で自分の姿を見てみるがどこもおかしな所は無い。 一人の男子生徒がまりさの背後に近付く。そして手に持った鏡をまりさの後頭部に近づけた。 その鏡に映ったまりさの後姿。いつの間にか紙が貼られていた。何か文字が書いてある。 まりさも平仮名なら一応読む事ができる。そこに書かれていたのは三文字の卑猥な言葉。 「ゆーっ!ゆーーっ!ゆーーーーーーーーーっ!!!!!!」 まりさは真っ赤になって貼り紙を取ろうとする。しかし手を持たぬゆっくりである。 後ろに貼られた貼り紙を取る術など無い。それでも懸命に舌を伸ばして紙を取ろうとする。 まるで自分のしっぽを追いかける犬の様に、その場でくるくる回り続けるまりさ。 「とってね!だれかうしろのかみをとってね!!!」 それを聞いて助けてくれる者など誰もいない。皆、まりさの困っている姿を見てニヤニヤ笑っている。 紙は取れない。走ってみても、跳ねてみても、壁に後頭部をごしごし擦りつけてみても取れなかった。 やがてチャイムが鳴り皆教室に戻る。まりさも仕方なくそのまま自分の机へ。 恥ずかしい姿のまま机の上に乗ったまりさ。顔を真っ赤にして俯く。 そんなまりさに手を伸ばす隣の席のA。まりさの後頭部に貼られた紙をはがす。 え、まりさをたすけてくれたの?どうして? Aが紙を自分の机に仕舞うのを見て、彼が紙をはがしてくれた事を知る。 A君がまりさを助けてくれるなんて信じられない、といった表情のまりさ。 勿論助けた訳ではない。何のことはない。教師に見付からぬ様、授業が始まる前に紙を隠しただけだった。 そして授業が終わり教師が退室すると、まりさの後頭部には二枚の紙が貼られた。 水曜日。まりさは粉まみれにされた。 この日まりさは日直をやる事になった。 もう一人の日直は隣の席、まりさをイジメる者達の主犯格A。 先生に「二人で協力して日直の仕事をして下さいね」と言われたまりさとA。 授業が終わると黒板をきれいにするのが日直の仕事の一つ。 手の無いまりさにはできない事。きっとAが一人でやるんだろうと思っていたまりさ。 「咥えろ。」 「え、なんで・・・」 「聞こえねえのか?あ゛?」 「ゆ・・・ぅ」 Aが目の前に黒板消しを差出し、まりさに咥える様命令する。 まりさが黒板消しを咥えると、Aはそのまままりさを持ち上げ黒板を拭き始めた。 「ゆ!いだい!はなして!」 「喋るんじゃねえよ。お前は黙って黒板消しを咥えてればいいんだよ。」 わざと爪を立ててまりさを持ち上げたA。尖った爪がまりさの柔らかい肌に食い込む。 更に過剰な力を掛けて黒板を拭く。黒板に押し付けられたまりさの顔が歪む。 黒板をきれいに拭き終ると、Aは黒板消しを咥えたままのまりさを窓の縁に仰向けに置く。 そしてどこからか持ってきた棒で黒板消しを叩き始めた。 黒板消しから出てきたチョークの粉がまりさに降りかかる。 目が痛い。息が苦しい。まりさは逃げようともがくが、Aの左手がしっかり押さえてそれを許さない。 「けほっ!けほっ!けほっ!」 「動くんじゃねえよ。あんまり暴れると下に突き落とすぞ。三階から落ちて生きていられるとでも思ってんのか?」 やっとAの拘束から放たれた時、まりさは上から下までチョークの粉まみれで真っ白になっていた。 まりさのトレードマーク、命の次に大事な黒い「すてきなおぼうし」も真っ白に。 まりさは泣きながら帽子のつばを咥え、壁に叩きつけて粉を落とす。 体に付いた方は、チョークの粉まみれのまりさに気付いた先生に取ってもらった。 どうしてこんな事になってしまったの、と聞かれても正直に答える訳にはいかない。 Aがこちらを見ている。仕方が無いから嘘を吐く。 「まりさね、ひとりでやろうとしたの。そしたらしっぱいしちゃった。」 「まあ、そうだったんですか。まりささんは頑張り屋さんですね。 でも時には人に頼る事も大事ですよ。人間誰でも完璧なわけではありません。当然できない事もあります。 だから人は一人でなく家族や仲間達と一緒に生活をするんです。」 「人には一人ではどうにもできない欠けたところがあるから、だから皆で助け合い補い合うんです。 お互い支えあうからこそ生きていけるんですよ。まりささんもきっと誰かの支えになれる筈。 だから困った時は人に頼ってもいいんですよ。困った事があったらクラスの皆に何でも相談してくださいね。」 まりさは先生の言葉に何と応えてよいかわからず、ただただ俯くしかなかった。 木曜日。まりさは倒れるまで走らされた。 昼休み、いつもの様にゆっくりぷれいすでゆっくりしようとしたまりさ。 廊下をぴょこぴょこ歩いていると、不意に後ろから伸びてきた腕に掴まれる。 「ゆ!なにするの!はなしてね!」 まりさを持ち上げた生徒は何も言わずに歩き出す。ゆっくりの力ではいくら暴れても逃げられない。 連れてこられたのは体育館。待っていたのはまりさのクラスの男子生徒達。当然Aもその中心にいる。 まりさは帽子を取り上げられ、体育館の床に放り投げられた。 「かえして!まりさのすてきなおぼうしをかえしてね!」 帽子を盗った生徒に詰め寄るまりさ。するとその生徒は数メートル離れた仲間に帽子をパスする。 慌てて帽子を追いかけるまりさ。ぴょんぴょんぴょんぴょん走って行く。 やっと帽子の元まで辿り着き、「すてきなおぼうしかえしてね!」と言おうとした瞬間、帽子はまた次の人へ。 フリスビーの様に帽子を投げ合って遊ぶ生徒たち。まりさはその間を必死に駆け回る。 「やめてね!まりさのすてきなおぼうしであそばないで!」 「かえしてね!まりさのおぼうしかえしてね!」 「おねがい!おぼうしかえして!それがないとゆっくりできないの!」 まりさは必死に頼み続けるが当然聞き入れられない。生徒たちはニヤニヤ笑いながら帽子を投げ合うだけ。 結局まりさは疲れきって動けなくなるまで走り続け、やっと帽子を返してもらった時には既に昼休みは終わっていた。 金曜日。まりさは唯一の楽しみを奪われた。 その日は朝から具合が悪かった。原因は校門の前にできていた水溜り。 ゆっくりは水に弱い。雨が降っていたなら学校を休むのだが、天気は快晴。まりさは普通に登校した。 何の問題も無く学校まで来たが、校門の前でまりさは立ち尽くす。 校門の前に大きな水たまりができていた。どうして・・・あめなんてふってないのに・・・ 原因は明白。まりさをイジメている生徒達がやったのだ。 今から裏門まで回ったのでは遅刻してしまう。ここを通るより他に方法は無い。まりさは意を決めて水に足を入れる。 「ゆっ!」 まりさの肌が水たまりの泥水を吸い上げる。早くしないと、ぐずぐずしてたら皮がふやけて破れてしまう。 まりさは急いで、しかし着地の衝撃で皮が破けぬ様慎重に水たまりを渡る。 なんとか無事に渡りきったが随分水を吸ってしまった。 体が重い。体の中に異物が入り込んでいる様な感覚。気持ち悪い・・・ たぷんたぷんと揺れる体を何とか引きずって教室まで辿り着く。 具合が悪い。頭がぼうっとする。人間で言ったら高熱を出している様な状態。 まりさは体の餡子を吐き出してしまいそうになるのを何とか堪える。 そして昼休み。まりさは急いで校庭のゆっくりぷれいすへ向かう。 体の外側は乾いたが、体の芯にはまだ水分がたっぷり残っている。 これを除くにはゆっくりぷれいすで太陽の光をたっぷり浴びてゆっくりするしか無い。 「ゆゆーーーっ!どうしてえええええええ!!!」 ゆっくりぷれいすの前でまりさは立ち尽くした。ゆっくりぷれいすが荒らされている。 散乱するゴミ。空き缶、紙屑、残飯、お菓子のカラ。これではゆっくりできない。 まりさのゆっくりぷれいす。大事な大事なゆっくりぷれいす。校内で唯一心安らげる場所。今では見る影もない。 まりさは泣きながらゴミを片付ける。残飯の放つ悪臭に耐えながら、ゴミを一つ一つ口で拾って遠くへ捨てる。 ようやく自分ひとりがなんとかくつろげるスペースを確保した頃には、すでに昼休みは半分終わっていた。 まだまだ周りにゴミはあるが仕方ない。まったくゆっくりできないよりはマシだろう。 まりさが目を閉じゆっくりとし始めたその時。 ドッ ゆ?なんだろう。なにかうえからおちてきたよ? ゆっくりと目を開けるとそこにあったのは・・・丸々と太ったネズミの死体。 「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」 更に頭の上に何かが降ってくる。まりさの帽子にあたって地面に落ちた黒い物の正体はゴキブリ。 まりさは真っ青になって逃げ出す。まりさの聖域、ゆっくりぷれいす。まりさは唯一の居場所も奪われた。 まりさはとぼとぼ歩きだす。この学校にゆっくりできる場所なんて他に無い。 まりさの行き先は一つしかない。教室。まりさをイジメる生徒達のいる教室・・・ 土曜日。まりさは机を舐めさせられた。 平日と違い土曜日は半日授業。午前中さえ耐えきれば、地獄の様な一週間の終わり。 まりさは祈る様な気持で教室に入るが、当然平穏無事に過ごせる訳がない。 自分の机に上ったまりさの目に飛び込んできたのは、机一面にチョークで書かれた落書き。 机に書かれた罵詈雑言。御丁寧にもまりさに理解できる様すべて平仮名で書いてある。 まりさは静かに泣きながら机の落書きを消していく。 人間なら雑巾を使って消すのだろうが、手を持たないゆっくりにそれはできない。 舌でチョークの粉を舐めとって、少しずつきれいにしていく。 いくら雑食のゆっくりとはいえ、チョークなんか食べられる筈もない。 しかしこれしか方法が無い。気持ち悪いのを我慢して黙々とチョークの粉を舐めていく。 「ゆぎゃあああああああああああ!!!!!」 半分ほど終わった頃だろうか。まりさが突然奇声をあげて飛び上がる。 だれかがまりさの机に練りからしを塗っていたのだった。 ゆっくりにとって辛い物は毒。早く舌を水で洗わないと死んでしまう。 急いで水飲み場に向かうまりさ。しかしこんな時に限って誰も水道を使っていない。 当然まりさの力では水道の蛇口を捻ることができない。ひりひりする舌を伸ばして回そうとしてみてもビクともしない。 まりさは必死に走り回って水のある場所をさがす。 プール。駄目。今は水が抜かれている。校庭の池。駄目。周りに柵があって近寄れない。 「どうした?水が欲しいのか?」 頭上からの声。一番聞きたくない奴の声。まりさをイジメるAの声。 「黙ってちゃわかんねえぜ。まあいい。こんな事で死なれてもつまんねえしな。」 そう言うとAは近くに置いてあった花瓶を傾け、中の水を廊下に垂らす。 まりさはその水に飛びつく。何でAがこんな事をするのか解らないが、今はそんな事を考えている余裕は無い。 まりさが廊下に溜まった水をぺーろぺーろと舐めていると、自分のすぐ真後ろで大きな音がした。 ガッシャーーーン! 「ゆゆっ!」 花瓶の割れる音。辺りに響き渡る。飛び散った破片。音を聞き駆け付けた教師。 「こらあ!何やってるんだお前!!!」 大声で怒鳴られるまりさ。当然Aは消えている。まりさは犯人にされてしまった。 割れた花瓶を片付けさせられた後、怖い生徒指導の教師にみっちりと説教された。 日曜日。まりさはひとりぼっちだった。 長い一週間が終わり、やっと訪れた休みの日。学校に行かなくてもいい日。おうちでゆっくりしていていい日。 本当なら両親に遊んで欲しかった。舌で優しく舐めて慰めて欲しかった。 でも両親はいない。隣県に出張中。ダム建設予定地に住むゆっくりへの住民説明会の為、来週の週末まで帰ってこない。 ゆっくりは孤独が苦手な生き物である。だから子供をたくさんうむ。 しかしまりさに姉妹はいない。雇用主にあてがわれたおうちは親子三匹が住むのがやっとの広さ。 だから両親はまりさの妹達をうむのを泣く泣く諦めた。 それでも今までまりさの両親が共働きをできたのは、近所の小さい子供達がまりさと一緒に遊んでくれたからだった。 すぐ近くにある公園に行けば、まりさを仲間に入れて仲良く遊んでくれる人間の子供達がいる。 しかし今のまりさには近くの公園に遊びに行く事すらできなかった。 朝目が覚めて公園に遊びに行こうとしたまりさ。その目に飛び込んできたのは遠くを歩くまりさのクラスメイト達の姿。 すぐにおうちに逃げ戻ったので気付かれる事はなかったが、まりさはおうちから一歩も出られなくなってしまった。 日曜日。みんな休みの日。当然クラスメイト達も。家の外を歩いているかもしれない。 怖い。もし見つかったら。イジメられる。外に出られない。 おにわで遊ぼうか。駄目。誰が見ているかわからない。誰かに見られている気がする。 怖い。怖い。怖い。ゆっくりできない。ゆっくりできない。ゆっくりできない。 おかあさんたすけて!おかあさんたすけて!おかあさんたすけて! でも両親はいない。 夜。ゆっくりは闇を恐れる。暗闇がまりさの孤独を更に煽る。 一日中遊び回ってくたくたになるまで疲れていたならぐっすり寝られるのに。 怖くて家から一歩も出られなかったまりさ。目が冴えてしまって寝られない。 こんな時、いつもなら両親が子守唄を歌ってくれる。おかあさんの歌う優しい子守唄。 とてもゆっくりできる子守唄。おかあさんが隣にいてくれたら安心してゆっくり眠れる。 でも両親はいない。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 まりさはか細く鳴く。両親を呼ぶ鳴き声。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 ゆっくりの赤ちゃんの鳴き声。これを聞けば親はすぐに駆けつける。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 まりさは鳴く。両親を求めて鳴く。届く筈もないのに鳴く。聞える筈もないのに鳴く。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 「うるせええええええええええええええええええ!!!!!」 「!!!!!」 突然響いた表を歩く酔っぱらいの怒声。別にまりさの鳴き声を聞いて怒鳴った訳ではない。 何か気に入らない事があって発せられた言葉なのだろうが、それはまりさに向けられたものではない。 しかしまりさは自分が怒鳴られている様に感じた。 酔っぱらいはさらに何やら大声で独り言を発している。呂律が回っていない。意味不明な言葉。 しかしまりさには自分をイジメる相談をしている様に聞こえた。 怖い・・・怖い・・・。まりさは頭からタオルを被り、ぷるぷる震えながら長い夜を過ごす。 いつのまにかまりさは眠っていた。まりさは夢を見る。 楽しい夢。幸せだった頃の夢。たった一週間前の事。今では遠い昔の事のよう。 両親は久しぶりの休みを貰い、家族三匹水入らずの休日。 近所の花畑にお花見に行く。きれいに咲き誇る花々の間を三匹並んでゆっくりおさんぽ。 お昼ごはん。母まりさが帽子の中から取り出したのは、まりさが大好きなクッキー。 口一杯に頬張って「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」と笑う。 お昼を食べ終えたらおひるねの時間。暖かな風がまりさの肌をやさしく撫でる。 太陽の恵みをたっぷり浴び、幸せそうに眠るまりさを見て微笑む両親。 歌を歌い、追いかけっこをし、かくれんぼをし、ゆっくりする。 楽しかった思い出。楽しい夢。しかし、所詮は夢。いつか必ず覚めてしまう。 朝の眩しい日差しがまりさを容赦なく照らす。まりさは現実に引き戻された。 今日は月曜日。新たな一週間の始まり。終わりの無い、地獄の様な一週間。 永遠に朝が来なければいいのに・・・永遠に夢から覚めなければいいのに・・・ 家政婦のおばさんが用意してくれた朝ごはんがおうちの前に置いてある。 食べたくない。食欲が無い。まりさはそのままとぼとぼと学校へ向かう。 しばらくして普段と様子が違う事に気が付く。歩いている人が少ない。登校中の生徒がいない。 学校に着いてやっと状況を理解した。授業がすでに始まっている。まりさは遅刻してしまったのだ。 朝はいつも両親に起こしてもらっていたまりさ。盛大に寝坊していたのだった。 校門は閉まっていた。他の生徒達なら自分で開けて中に入れるのだろうが、まりさにはどうする事もできない。 学校には入れない。それに、どうせ学校に入ってもイジメられるだけだ。 まりさは開き直って学校をサボる事にした。 しかし、学校をサボってしまった後ろめたさからか、そのままおうちに帰る気にもなれない。 まりさは当てもなく町をぴょこぴょこ歩いて行く。 まりさをイジメる人達は今、皆学校の中にいる。夕方まで出てこない。まりさは今自由だ。 久しぶりにゆっくりできる・・・筈だった。イジメる人はいない。ゆっくりできるはずなのに・・・ なぜか落ち着かない。なぜかゆっくりできない。人の視線が気になる。 道行く人達。誰もまりさの事など気にも留めない。なのになぜか彼らに見られている様な気がする。 知らない人達。誰もまりさをイジメるはずなどない。なのになぜか彼らの一挙手一投足にビクビクする。 怖い・・・人間が怖い・・・ まりさは人のいない方へ人のいない方へと歩いて行き、気が付くと町の外れの原っぱにポツンと立っていた。 ここなら誰もいない。怖い人間はいない。ここならゆっくりできる・・・ 「ゆっくり・・・」 まりさはゆっくりしようとした。いつもの様に。そうすれば嫌な事はすべて忘れられる。忘れられる筈なのに・・・ なぜかゆっくりできない。 この一週間まりさが受け続けたイジメ。まりさの小さな心には余りに大きすぎた負荷。 蓄積された心の傷が既に一線を越えてしまっていたのだ。ゆっくりにとって一番大事なところを壊された。 まりさはもう二度とゆっくりできない。 まりさは目から涙を流しながら「アハハハハハハ」とゆっくりらしからぬ乾いた笑い声をあげる。 まりさは泣いた。ひたすら泣いた。 涙が枯れもう何も出なくなると、最後にぽつりと呟いた。 「どうしてまりさがこんなめにあうの。」 「どうしてゆっくりできないの。」 「まりさはなんにもわるいことしてないのに。」 「おかあさん、まりさはゆっくりだよね。ゆっくりするのがゆっくりだよね。」 「まりさ、ゆっくりできなくなっちゃった・・・」 「ゆっくりできないゆっくりなんて・・・ゆっくりできないゆっくりなんて・・・」 「おかあさん、ありがとう。ごめんなさい・・・」 まりさは歩き出した。行く当ても無く。そして二度と戻って来る事は無かった。 この町では特別珍しい事でもないゆっくりの失踪。今日もまた一匹のゆっくりが消えた。 今までに消えていったゆっくり達と同じ言葉を残して・・・ 「もっとゆっくりしたかった・・・」 end 作者名 ツェ 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」 「狂気」 「ヤブ」 「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」 「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 「ゆっくり理髪店」 「ずっと・・・(前)」 「ずっと・・・(後)」 「シャッターチャンス」 「座敷ゆっくり」 「○ぶ」 「夢」 「悪食の姫」
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす/コメントログ」 いい話でもあり面白い話でした ありすが幸せになって良かった -- 2010-08-13 18 09 19 糞まりさと糞でいぶに糞赤ゆはもっと苦しんで死んで欲しかった… -- 2010-12-06 00 30 51 おじさん二人も良い事するじゃないか… イイハナシダナー;; 糞饅頭ざまぁww -- 2010-12-15 15 28 25 これメガテンのアリスネタだろwww -- 2011-05-08 05 55 44 面白かった。 -- 2011-07-13 13 43 06 いい…話だな…(現状涙目) -- 2015-02-21 23 52 15 「ありす」でも助けるのか。 って言うか、胴付きでも顔は完全にゆっくり饅頭なんだから気付くやろ! -- 2018-03-26 23 03 18
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「ふたば系ゆっくりいじめ 55 ゆっくり経済白書/コメントログ」 計算能力と論理的思考能力は別物か -- 2010-08-18 22 46 34 らんと言えども所詮はゆっくり -- 2010-09-23 17 45 35 経験を次回に活かせれば、良い群れが出来そうだ 次回は無いだろうが -- 2010-12-29 18 24 24 なんで育つことを考えてないんだろう?と思ったら、そうかそう言う事だったのか作者にやられたぜb -- 2012-12-11 14 03 26 なぜこの群れは希少種が多いんだというか どぼじてかぐやがいるのぉぉぉ -- 2013-03-31 07 02 37 さーせん↓かぐやじゃなくてさくやだ 何故めーりんと番にダブルこうまかん -- 2013-03-31 07 05 14
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「ふたば系ゆっくりいじめ 976 猫とゆっくり/コメントログ」 ぬこは獲物で遊ぶからなw 脂肪分が多いカスタードとか好みそうだ。 一番標的になりそうなのは、生クリームのぱちぇだろうなーw -- 2010-12-01 21 37 32 ぬこはケーキが好きなんだそうだ。脂肪分が多い食い物は効率がいいと 本能で知ってるらしい。だからケーキがあれば魚や肉より先に食べるという (そういう実証実験があった) -- 2012-09-13 13 48 27 このありす親子は不法侵入した野良? その辺が書いてあるともっと楽しめる。 -- 2018-01-05 17 49 25 余談だが、猫はテオブロミン(チョコレートなどに含まれる)を代謝出来ないので、 見た目は猫のちぇん種は一緒に飼ってはダメ。 -- 2018-01-05 18 07 48
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「ふたば系ゆっくりいじめ 42 今と昔.TXT/コメントログ」 考察系SSか…ジェノサイド分もっとよこすんだぜ! -- 2010-09-04 19 52 29 積みじゃなくて詰みだよ!ゆっくりりかいしてね! -- 2011-08-22 09 16 49 そうか、ゲスはおれらのせいでうまれたのかー そーなのかー -- 2011-09-19 10 58 21 これはこれでイイな。こういうの好きだなー。 -- 2013-08-16 18 14 29
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1316 やまめに出会った。/コメントログ」
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「ふたば系ゆっくりいじめ 909 ちょっとした憂さ晴らし/コメントログ」 ゆ虐開運法? -- 2010-07-09 21 42 41 良かったね!良い事すると良い事が返って来るものなのですよ、ゲスのしんぐるまざー(笑)駆除お疲れ様でした 出来れば子ゆと赤ゆも壮絶に虐待して欲しかったです -- 2010-08-06 03 00 31 子れいむが静かすぎるのが気になった -- 2010-08-06 12 58 13 騒がしくしてても食べ物を前にしたゲスシングルマザーには聞こえないだろうな -- 2010-09-11 04 50 11
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このページには、ゆっくりいじめ系2251~2500までの一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 2250以前および2501以降につきましては下記から。 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりいじめ系2251 あるゆっくり一家のひな祭り虐性家無外 ゆっくりいじめ系2252、ゆっくりいじめ系2253は作者さんの要請により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ系2254 100スレ記念1 ゆっくりいじめ系2255 100スレ記念2 ゆっくりいじめ系2256 100スレ記念3 ゆっくりいじめ系2257 100スレ記念4 ゆっくりいじめ系2258 100スレ記念5 ゆっくりいじめ系2259 100スレ記念6 (完結) ゆっくりいじめ系2260 おかあさんのおくちのなか制家共無 ゆっくりいじめ系2261 真冬のゆっくり対策 最終話 ゆっくりいじめ系2262 悪意2 ゆっくりいじめ系2263 ゆしるだー ゆっくりいじめ系2264 向日葵制 ゆっくりいじめ系2265 俺はゆっくりが嫌いだ ゆっくりいじめ系2266 誰にでもは出来ない仕事 ゆっくりいじめ系2267 カザリガリノキ ゆっくりいじめ系2268 ぶっかけ!ぱちゅりー! ゆっくりいじめ系2269 加工場のいつもと変わらない一日 ゆっくりいじめ系2270 わんわんごあいどぉ~! ゆっくりいじめ系2271 ゆっくり喪黒福造 ゆっくりいじめ系2272 夜食でゆっくり ゆっくりいじめ系2273 耳が聞こえない僕とゆっくり ゆっくりいじめ系2274 邪悪の使い ゆっくりいじめ系2275 まんじゅうこわい ゆっくりいじめ系2276 俺の家にはこんなれいむが居やがりました制無外 ゆっくりいじめ系2278 虐待一家のその後 ゆっくりいじめ系2279 ゆっくりをグレイズさせてみた ゆっくりいじめ系2280 なんのために… ゆっくりいじめ系2281 ドスのゆっくり ゆっくりいじめ系2282 たかいたかい ゆっくりいじめ系2283 ゆっくりバスターvsうー!うー! ゆっくりいじめ系2284 ゆうかの白い花畑虐無 ゆっくりいじめ系2285 花とゆうか虐共無 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2287 ウ ゆっくりいじめ系2288 俺とゆうかとゆかりんと ゆっくりいじめ系2289 ゆっくり増えるよ! ゆっくりいじめ系2290 にわとりとゆっくり ゆっくりいじめ系2291 ありふれた話 ゆっくりいじめ系2292 夏の風物詩? ゆっくりいじめ系2293 ゆラゴンボール ゆっくりいじめ系2294は作者さんの要請により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ系2295 ゆっくりになった男2 ゆっくりいじめ系2296 ドスのいる村 ゆっくりいじめ系2297 レポート ゆっくりいじめ系2298 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編その2-1 ゆっくりいじめ系2299 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編その2-2 ゆっくりいじめ系2300 赤まりさ達の制裁編 ゆっくりいじめ系2301 食ゆ植物 ゆっくりいじめ系2302 絶対ゆっくり感 ゆっくりいじめ系2303 俺とゆうかとゆかりんと ぼりゅーむに ゆっくりいじめ系2304 とかい 「ゆっくりいじめ系2305 ライ麦畑のばりざ~三本の矢? NON、三本のたまおとあねき~は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2306 ゆっくりの旋毛 ゆっくりいじめ系2307 幻餡術師の僕 ゆっくりいじめ系2308 飼いゆっくりと鬼意山(笑)とお兄さん達と ゆっくりいじめ系2309 力を得たお兄さん ゆっくりいじめ系2310 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2311 ゆっくり並列宇宙の旅 ゆっくりいじめ系2312 ゆっくり高みの見物 ゆっくりいじめ系2313 竹取り男とゆっくり8 [ゆっくりいじめ系2314 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2315 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2316 ゆっくりとろうそく ゆっくりいじめ系2317 僕はこうして懇談しました ゆっくりいじめ系2318 火遊び ゆっくりいじめ系2319 永夜緩居[三匹のゲス、一匹目-グズ(前編)] ゆっくりいじめ系2320 永夜緩居[三匹のゲス、一匹目-グズ(後編)] ゆっくりいじめ系2321 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](前編) ゆっくりいじめ系2322 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](中編) ゆっくりいじめ系2323 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](後編) ゆっくりいじめ系2324 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](前編) ゆっくりいじめ系2325 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](中編) ゆっくりいじめ系2326 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](後編) ゆっくりいじめ系2327 永夜緩居[三匹のゲス、一人と四匹目] ゆっくりいじめ系2328 俺とゆうかとゆかりんと ぼりゅーむさん ゆっくりいじめ系2330 永夜緩居6前編-1 ゆっくりいじめ系2331 永夜緩居6前編-2 ゆっくりいじめ系2332 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-1) ゆっくりいじめ系2333 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-2) ゆっくりいじめ系2334 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-3) ゆっくりいじめ系2335 永夜緩居― EX[眠れるゆっくりは饅頭の夢を見るか] ゆっくりいじめ系2336 禁断★実験制家機 ゆっくりいじめ系2337 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2338 ゆっくり潜入するよ!! 制家共捕無 ゆっくりいじめ系2339 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2340 ゆっくり出来ない時代虐制環無 ゆっくりいじめ系2341 ゆっくり地球防衛軍 前編 その1復 ゆっくりいじめ系2342 ゆっくり地球防衛軍 前編 その2制 作者さんの要望により削除しました。by管理人 「ゆっくりいじめ系2344 ゆっくりのきんたまは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2345 真冬のゆっくり対策 6そ家 ゆっくりいじめ系2346 生きるために制性家共無 ゆっくりいじめ系2347 電脳世界虐制無外 ゆっくりいじめ系2348 ゆっくりが嫌われるまで制環家無外 ゆっくりいじめ系2349 やさぐれいむ虐無外 ゆっくりいじめ系2350 重箱の隅そ家捕無 ゆっくりいじめ系2351 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2352 赤ゆっくりとラッピング虐家共無 ゆっくりいじめ系2353 通りすがりの人間だ虐共捕無 ゆっくりいじめ系2354 ゆっくりころころ虐家無 ゆっくりいじめ系2355 れいむとカレー虐無外 ゆっくりいじめ系2356 偽りの愛情虐無 ゆっくりいじめ系2357 寒さとの戦い虐環性無外 ゆっくりいじめ系2358 作者さんの要望により削除しました 「ゆっくりいじめ系2359 ルナサ姉さん可愛いよぉハァハァは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2360 黒ゆっくり6 ゆっくりいじめ系2361 町内の動物2虐性家無外 ゆっくりいじめ系2362 ゆっくりまりさが嫌われるまでそ家無外 ゆっくりいじめ系2363 対決!ドスまりさ!制復性無外 「ゆっくりいじめ系2364 ゆっくり?は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2365 ゆっくり恐怖症 ゆっくりいじめ系2366 ゆっくりまりさが嫌われるまで2 ゆっくりいじめ系2367 竹取り男とゆっくり9 ゆっくりいじめ系2368 ゆっくりを嫌いになるまで ゆっくりいじめ系2369 板挟み ゆっくりいじめ系2370 ゆっくり地球防衛軍 中編 その1 ゆっくりいじめ系2371 ゆっくり地球防衛軍 中編 その2 ゆっくりいじめ系2372 ゆっくりを拾ってきた ゆっくりいじめ系2373 精子餡ネタ ゆっくりいじめ系2374 ゆっくりを嫌いになるまで2 ゆっくりいじめ系2375 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2376 悪食の姫虐家捕無 ゆっくりいじめ系2377 まりさのあい(前編)虐性家無 ゆっくりいじめ系2378 まりさのあい(後編)虐家無 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2380 豆れみりゃと二重人格お兄さん虐家無外 ゆっくりいじめ系2381 作者さんの要望により削除しました 「ゆっくりいじめ系2382 くそれいぱーのありすはゆっくりしないでしんでね!は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系2383 粉ゆ虐無 ゆっくりいじめ系2384 人間と山のゆっくりそ環無外 ゆっくりいじめ系2385 ゆラゴンクエストそ無外 ゆっくりいじめ系2386 リアル弾幕ごっこ虐機無外 ゆっくりいじめ系2387 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2388 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園1虐無外 ゆっくりいじめ系2389 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園2虐無外 ゆっくりいじめ系2390 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園3虐無外 ゆっくりいじめ系2391 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園4虐無外 ゆっくりいじめ系2392 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園5虐無外 ゆっくりいじめ系2393 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園6虐無外 ゆっくりいじめ系2394 ずっとゆっくりするんだよ(前編)虐家無外 ゆっくりいじめ系2395 ずっとゆっくりするんだよ(後編)虐家無外 ゆっくりいじめ系2396 過剰愛でお兄さんの悲劇虐共制家無外 ゆっくりいじめ系2397 ゆっくり狩猟任務(前編)虐 ゆっくりいじめ系2398 冬の山にて(前編)虐制環家無外 ゆっくりいじめ系2399 冬の山にて(後編)制環共家無外 ゆっくりいじめ系2400 砂場で棒倒し虐制家無外 ゆっくりいじめ系2401 ガンナーお兄さん虐家無 ゆっくりいじめ系2402 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2403 桃栗三年柿八年虐家無外 ゆっくりいじめ系2404 草抜き虐家無外 ゆっくりいじめ系2405 まりさとわたしそ家無外 ゆっくりいじめ系2406 レイパーの動機虐家性 ゆっくりいじめ系2407 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2408 あまあまをちょうだいね虐家無 ゆっくりいじめ系2409 まんじゅうの精虐無外 「ゆっくりいじめ系2411 担い手は此処に独りは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系2412 まりさとわたし タベモノ ゆっくりいじめ系2413 元祖ゆっくりとの遭遇 ゆっくりいじめ系2414 あるゆっくりふらんの調教記(前編) ゆっくりいじめ系2415 あるゆっくりふらんの調教記(後編) ゆっくりいじめ系2416 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い ゆっくりいじめ系2417 ゆっくり射的 ゆっくりいじめ系2418 橙じりんぐ(前編) ゆっくりいじめ系2419 橙じりんぐ(後編) ゆっくりいじめ系2420 リ・ターン ゆっくりいじめ系2421 ゆっくり狩猟任務(後編)虐 ※ゆっくりいじめ系2422は作者さんからお申し出がありましたので削除いたしました。by管理人 ゆっくりいじめ系2423 紙芝居を聞かせて?虐無 ゆっくりいじめ系2424 野生の豆れみりゃ虐環家共 ゆっくりいじめ系2425 ゆっくり地球防衛軍 後編 その1 ゆっくりいじめ系2426 ゆっくり地球防衛軍 後編 その2 ゆっくりいじめ系2427 ゆっくり地球防衛軍 後編 その3 ゆっくりいじめ系2428 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2429 ~ゆっくりありす生涯『取り替え子編』(表)~虐環家 ゆっくりいじめ系2430 ~ゆっくりありす生涯『取り替え子編』(裏-1)~制環家 ゆっくりいじめ系2431 ~ゆっくりありす生涯『取り替え子編』(裏-2)~制環家 ゆっくりいじめ系2432 SSがあっぷされるまで虐そ機 ゆっくりいじめ系2433 絶対命令お兄さん虐家共無外 ゆっくりいじめ系2434 まりさとわたし スミカ虐環無外 ゆっくりいじめ系2435 契約を結ぼう制無外 ゆっくりいじめ系2436 りーだーまりさの成長虐制家 ゆっくりいじめ系2437 ゆっくり新入生制無 ゆっくりいじめ系2438 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2439 ゆっくりつり虐無外 ゆっくりいじめ系2440 いいつけてやる!虐家 ゆっくりいじめ系2441 まりさとわたし キョセイ虐機無外 ゆっくりいじめ系2442 ゆっくり花粉症虐環 ゆっくりいじめ系2443 中学生のゆっくりいじめ(前編)虐無外 ゆっくりいじめ系2444 中学生のゆっくりいじめ(後編)虐無外 ゆっくりいじめ系2445 ゆっくり実験虐家無 ゆっくりいじめ系2446 対戦型ゆっくりゲーム虐無外 ゆっくりいじめ系2447 もしもゆっくりに出会ったら虐制無 ゆっくりいじめ系2448 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2449 ゆっくりお花見しようよ虐家無外 作者により削除されました ゆっくりいじめ系2451 駆除屋虐無 ゆっくりいじめ系2452 ドスは死亡フラグ虐無外 ゆっくりいじめ系2453 ゆっくりいじめ系2454 駆除虐家無外 作者さんの要望により削除しました 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2457 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2458 死餡感染お兄さん制家無外 ゆっくりいじめ系2459 父の愛情制家無外 「ゆっくりいじめ系2460 最初っからだよ!は作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系2461 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2462 被虐のみょん_その一(前編)環家共 ゆっくりいじめ系2463 被虐のみょん_その一(中編)環家共 ゆっくりいじめ系2464 被虐のみょん_その一(後編)制環家共 ゆっくりいじめ系2465 どのゆっくりがこのみ? ゆっくりいじめ系2466 ゆっくりれいむを発狂させよう! ゆっくりいじめ系2467 週末の過ごし方 ゆっくりいじめ系2468 豊作祈願 ゆっくりいじめ系2469 竹取り男とゆっくり10(最終回・前編) ゆっくりいじめ系2470 竹取り男とゆっくり10(最終回・中編) ゆっくりいじめ系2471 竹取り男とゆっくり10(最終回・後編) ゆっくりいじめ系2472 とかいはルール ゆっくりいじめ系2473 ゆっくりいじめ系2474 レイパー対策 ゆっくりいじめ系2475 作者さんの要望により削除しました ゆっくりいじめ系2476 クイーンの奇形ゆっくり1 ゆっくりいじめ系2477 駆除屋2 ゆっくりいじめ系2478 クイーンの奇形ゆっくり2 ゆっくりいじめ系2479 ゆっくりとの攻防 ゆっくりいじめ系2480 狩人 ゆっくりいじめ系2481 ゆんぽぽ ゆっくりいじめ系2482 ぱちゅりーばたーをつくろう! ゆっくりいじめ系2483 ゆっくりしたおかーさんにごはんをあげよう! ゆっくりいじめ系2484 そっくりれいむで遊ぼう! ゆっくりいじめ系2485 ゆっくり再調教 ゆっくりいじめ系2486 ゆっくりぱらのいあ ゆっくりいじめ系2487 分銅と砂時計 ゆっくりいじめ系2488 あおりぼん ゆっくりいじめ系2489 あおりぼん ゆっくりいじめ系2490 ゆっくりいじめ系2491 ゆっくりって言っちゃ駄目だよ ゆっくりいじめ系2492 ONE ゆっくりいじめ系2493 やさぐれいむ2 ゆっくりいじめ系2494 そおとⅠ 小悪魔の場合 ゆっくりいじめ系2495 ゆっくりへの階段 ゆっくりいじめ系2496 胴付戦隊ゆっくりじゃー ゆっくりいじめ系2498 クイーンの奇形ゆっくり3 ゆっくりいじめ系2499 とあるきめぇ丸の一日 ゆっくりいじめ系2500 作者さんの要望により削除しました
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ゆっくりブリーダーの訓練所では、今日もゆっくりのエリートと呼べるほどの良いゆっくり達を作り出す訓練が行われている。 「ゆっくりしていってね!」 その部屋は、人工的だが、どこか温かみがあり、そのまま眠ってしまいたくなる様な風情がある。 ゆっくり達の部屋は、これから続く長い訓練の日々に耐えられる精神を身に付けるためにも、ゆっくりにとって本当にゆっくり出来る場所となっているのである。 そんな部屋に、一人の男が、ゆっくりれいむを置いた。 「ゆっくりしていってね!」 このれいむは、どうやら新しく訓練を受けるゆっくりらしい。そのふてぶてしい面構えから見るに、野生のゆっくりのようだ。 「ゆっくりしていってね! ここはれいむのいえだから、おじさんはさっさとでてってね!」 ゆっくりれいむは身勝手な事を言い、環境の良さからここを自分の住みかだと言い張った。 最初、ゆっくりはこの場所の居心地の良さから、必ずこういう態度をとる。 そんなゆっくりを、当然だがブリーダーは即座に叱る。 だが、その言葉は非常に穏やかなものである。 「ここは君の家か……じゃあ、出て行く事にしよう」 そう言い残して、部屋に鍵をかける。数日間の絶食の始まりだ。 「ゆ……ごはん……おなか……すいた……」 「まだご飯をあげるわけにはいかないな、君はまだまだ死なない」 数日前、まるまると太っていたゆっくりれいむが、見る影もなくやせ細っている。 もはや動く事も出来ない様子で、ブリーダーの姿を見ても哀れさを誘うほどの小さな声で訴える事しかしない。 だが、ブリーダーはその様子を見ても眉一つ動かさない。 本当に餓死直前のゆっくりは、言葉を発する事も出来ないし、やせ細るどころかアンコが透き通って真っ黒に見えるほど皮が薄くなるからだ。 ちなみに、この状態のゆっくりに僅かでも食事を与えてしまえば、もう絶対に言う事を聞かない。 例え瀕死になっても、哀れに振舞えば助けてくれる。それを知ってしまえば、ブリーダーの言う事など聞く必要を感じないからだ。 ブリーダーが部屋を出て行こうとすると、ゆっくりは凄まじい勢いで飛び掛ってきた。 「ま”っでえ”え”え”え”え”ぇぇぇぇぇ! ぼん”どに”お”な”がずい”だの”お”お”お”ぉぉぉ!!!」 顔をぐしゃぐしゃにして、みっともなく訴えかけるゆっくりを叩き落し、ブリーダーは部屋を後にした。 「そろそろかな……」 更に数日後。 全身が真っ黒になり、何かを要求するどころか、眼球すらまともに動かないゆっくりれいむを前に、ブリーダーは呟いた。 「これが食事だ。これまで散々自分だけでゆっくりした分を差し引いてる。食べられるだけありがたく思うんだぞ」 こんこんと諭してから、一口分のスープをゆっくりれいむの口元に持って行く。 「おいしい……ゆっくりできるよ……!」 一口でも、僅かに回復したらしい。しみじみと、スープを惜しむ様に味わい続けている。 「これからも、自分だけでゆっくりするとこうなる。わかったら、もう二度と自分だけでゆっくりするなよ」 「わかりました……だから、もっとちょうだい……」 あえぐ様に訴えるゆっくり。だが、ブリーダーはそのまま部屋を出ようとした。 「ま”っでよ”お”お”お”ぉぉぉ! も”っどぢょう”だい”い”い”い”ぃぃぃ! ゆ”っぐり”でぎな”い”ぃぃぃぃぃ!!!」 ドアを閉めた直後、泣き叫ぶゆっくり。どうやら、このゆっくりはまだまだ元気だったらしい。 ブリーダーはため息を一つこぼし、限界を見極める腹を固めた。 「今度はどうかな……」 数週間後、全身が真っ黒になり、もはや生死すら分からないゆっくりの前で、ブリーダーが呟く。 「ご飯をあげる前に、一つだけ言っておく。今回が最後のチャンスだ。これでダメなら、加工所送りにする」 数週間前と同じ様に、だが厳しい顔つきで宣言するブリーダー。 そのままゆっくりにスープを与えると、僅かずつ飲み込んでいく。 「ゆ……ゆ……」 僅かに眼球が動く。哀れがましいその動きを見て、ブリーダーはため息をついた。 「残念だが、君は加工所送りだ。恨むなら恨んでも良いけど、自分が何をしたかゆっくり考えてみるんだな」 そのままゆっくりれいむを抱えて、部屋を後にするブリーダー。 ゆっくりれいむは、なぜかと訴える様な眼差しでブリーダーを眺めていた。 ――ゆっくりの訓練方法、その一。 ――特に野生のゆっくりは、哀れがましい動きをして、何とか同情を誘おうとする。 ――そのため、まずは餓死直前まで追い込む事で自分の立場を理解させ、それでもダメならば加工所へ送る。 ゆっくりブリーダーの話が出てきてあまりにも嬉しかったので、書いてみました。 この後もいくつかありますが、イジメ系ではないので削除させていただきました、ご了承下さい。 下記は、訓練方法そのニ~五です、ゆっくりに本気で訓練施すとなると、多分こんな感じになるのではないかなぁと思います。 ――ゆっくりの訓練方法、そのニ。 ――他の者の苦しみを無視する、自分だけ食事を摂ろうとするなど、自分勝手な行動に出たゆっくりは叱る。 ――どれだけ優秀でも、自分勝手な行動だけは決して許されない事を頭に叩き込む。 ――ゆっくりの訓練方法、その三。 ――ゆっくりを叱る時は、他のゆっくりから見えない影で、諭す様に叱る。 ――ゆっくりにもプライドは存在する。それを崩さない事を念頭に置く。 ――ゆっくりの訓練方法、その四。 ――一度でも人間やその係累に危害を与えたものは、加工所送り。 ――周囲のゆっくりに聞こえる様に加工所送りを宣言する事で、絶対にやってはいけない事を頭に叩き込む。 ――ゆっくりの訓練方法、その五。 ――ゆっくりを褒める時は、他のゆっくりが見える様な状況で、可能な限り褒める。 ――ただし、褒めすぎて調子に乗らない様注意する事を念頭に置く。 by319 このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 267 さいこ/コメントログ」 すかっとした!! -- 2010-04-30 20 02 05 ゆかりんだけは何故か助けてあげる・・・なんて事はなかったのぜ! -- 2010-06-21 00 42 05 。・゜(゜⊃ω⊂゜)゜・。うう・・・ゆうかりんは助かると思ったのに -- 2010-09-07 05 26 44 ゆうかりん出てきてないよ -- 2010-09-24 21 35 37 おにいさん… 何というか興奮しすぎだぜ… -- 2010-09-29 22 18 46 あとゆかりんかわいいな -- 2010-09-29 22 20 14 お隣さんの方が一枚上手だったなww -- 2010-10-03 14 10 30 このお兄さん危ない -- 2011-03-08 12 45 23 確かにシンプルだが怖いよ! -- 2011-03-29 13 30 13 禁じられた遊びの方でまりさがおねえさんって言ってるからこの主人公は女じゃないかと…(恐) -- 2011-07-06 16 39 30 それにしてもこのお兄さん、ノリノリである -- 2012-03-13 20 44 22 ああ、このゆかりんは次の話で隣のお兄さんに埋められた奴か -- 2013-12-08 02 54 53 ゆかりんがちゃんと死んで良かった(安堵) -- 2014-10-27 11 17 14